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「今このタイミングで何かやらないと多分後悔する」―出店者インタビューvol.1_ichietoitten

HELLO MARKET

HELLO MARKETに出店ている人やここを卒業して次の活躍をされている人にインタビューするシリーズ。第一回目のゲストは、HELLO MARKETでも大人気なお洋服ブランド『ichietoitten』の大川真衣子さん。

活動を始めてからまだ短い時間の中でどんどん活躍の場を広げ、多くのファンをもつichietoitten。どんなことがきっかけで今の活動をはじめたのか、エネルギッシュに前へ進む大川さんを突き動かすものが何なのか、いろいろとお聞きしてみました。


――大川さんのブランド『ichietoitten』は、主に大人のお洋服と子供服を制作・販売されていますが、ブランドの想いやこだわりはどんなところにありますか?

『ichietoitten』というブランド名は、一期一会の「ichie」と、一点ものの「itten」からつくった名前です。同じように見えても、一点ずつ違う部分をつくりたい。お客さんとの出会いを大切に、着る人それぞれの個性が出せるように生地を変えたり、丈を変えたり、少しずつその人に合うものをつくりたい。そんな想いを込めています。

同じ形で全員ジャストサイズで着られるわけではないと思っていて、着ている人が1番似合う形に少しでもしてあげたい、完成した商品だけでなく、セミオーダーに近い形でつくることも多いです。人それぞれ、体型の悩みってありますよね。それを隠すのではなく活かせる服をつくりたいなあと。洋服で体型をカバーできるんですけど隠すのではなく、洋服でその人の魅力を引き出すお手伝いが少しでもできたらと思います。

基本的な型の中からご注文いただくのですが、受注を受けるときに「色や丈どうします?」って聞いたり、自分なりにその人の背丈やイメージを思い出しながらイメージを膨らませて、製作の過程で丈を変えたりウエストラインを変えたり、数ミリ単位でこっそり工夫しています。なので、一見似ているんですけど、一点一点少しずつ違っているんですよ。

生地は、すべてではないですが、沖縄にいる友人が草木染で手染めたしたものやインドの職人が一つ一つ手で版を押して柄をつけた木版プリントのものなどを使っています。一つ一つ表情の違う生地を使って、着る人それぞれに合うように仕立てる。まさに一点ものです。

――丁寧につくられていることは感じていましたが、こんなにも一人ひとりに寄り添ったものづくりをされていたなんて、驚きです。その姿勢も、ichietoittenのリピーターの多さの秘密かもしれませんね。ブランド自体を始めて見ようと思ったたきっかけはなんだったのでしょうか?

ブランドを始めたのはちょうど2年程前です。それ以前に、子育てに少し余裕ができ、2人のお友達と一緒に何度かイベントに出店したことがありました。家にある端切れで雑貨や子供服をつくって販売したり、ワークショップをしたりしたんです。とても楽しかったのですが、一緒にやっていたお友達たちは仕事を始めたりして忙しくなってしまい、一緒に続けていくことができなくなりました。その時、「じゃあ私は何をしよう…」と考えて、「洋服がつくりたいなぁ~」ってふと思ったんです。自分のつくった服をお友達に褒めてもらったり、「私にもつくって」って頼まれたりすることが何度かあり、自分がつくったものを受け入れてくれる人がいるんだということがとっても嬉しくて。

洋服づくりを自分の好きなようにやれるところってどこだろう?と考えてみました。お店や会社に所属して働いてしまうと、どんな服をつくるかも、どんな売り場にするかも、全てにおいて自分の好きなようにはできない。自分でブランドをつくったら、自分のつくりたい服をつくれて、自分で売り場も考えられて、自分のペースでやれる。私にはそんな形で活動していくのが合っているのかなと思いました。今このタイミングで何かやらないと多分後悔するなと思い、勢いで先にブランド名を決めて、名刺をつくりました。

――ichietoittenがHELLO MARKETに出店を始めたのもちょうど2年ほど前なので、ブランドを立ち上げてすぐだったんですね。HELLO MARKETに出てみようと思ったきっかけはなんでしたか?

HELLO MARKETがInstagramで出店者募集の告知をしていたのを見て、「あれ?ここなら私のような初心者でも出店のチャンスがあるかも!」と思ったのがきっかけでした。初心者でもいいということと、サポートしてくれると書いてあったことが後押しになり、応募しました。作家活動初心者の私が出店できるイベントがなかなかなかったので、ありがたいなと思いました。開放的な場所でやれるということも魅力でしたね。

――大川さんは行動力と瞬発力がすごいですね。それは自然と身体が動いた感じでしたか?それとも勇気出して動きました?

勇気というか、覚悟(笑)。なにか覚悟を決めた瞬間だった気がします。好きなことをただやるのではなく、「働く」という視点で考えると、どこかに所属して働くほうが毎月安定した収入が入るメリットもあって最後まで悩みました。だけど子どもが生まれてからは働いていなかったので、このタイミングで思い切ってやってみた方が自分のために繋がるんじゃないかと思ったんです。娘の子育てをしながら家でもできて、かつ自分がやりたいことを仕事にしたいと思いました。今どこかへ勤めてしまったら多分なかなかチャレンジしづらいだろうなとも。

ある時「今この瞬間が1番若いんだよ」と言われたことがあって、「そうか、1秒後にはもう1秒歳をとっているんだ」と思ったらゾッとして(笑)今私が本当にやりたいことをやろう!と覚悟を決めました。

やるって決めたらもう自分しかいないので、最初の1年はひたすら動こうと思って動きました。出店したいイベントには自分からアポを取る。自分が欲しい生地があればすぐに連絡して、その生地は買えないか、販売用に使える生地かを聞く。イメージしたものが形にならない、作った物が売れない。その1年は本当に試行錯誤の1年だった気がします。

――お洋服づくりは学校やお仕事を通じて学んだのでしょうか?

学校は一応服飾の学校へ行っていて、洋服は昔から好きでした。でも、学校では出来上がったパターンに合わせて生地を切るだけで自分でパターンをつくるところからはやったことがなかったし、縫製も課題の提出物だけでしかやったことなかったんです。実際に洋服づくりを始めたのは、子どもが生まれてから、本を見ながら独学です。

仕事は、初めギャル系のアクセサリー制作の下請けの仕事をしていました。クライアントからアクセサリーを頼まれて工場に依頼するような間の仕事でした。1番長く勤めたのは、子ども服屋で販売と店舗運営の仕事でした。そこでは新店舗の立ち上げやスタッフ育成などの仕事も。今思えばどの経験も今の活動に役立ってると感じています。働く中で知識をいただいていたんだなって。あと、店頭販売から裏方にまわった時、私は洋服も好きだけど、お店でお客様とお話するのも好きだったんだなって改めて実感もしたんです。たぶん人と話すことが好きで。それも今に繋がっていると思います。

――昨年、マーケット出店だけではなく、ギャラリーでの展示会にもチャレンジされていましたね。あれは自分からやりたいと言ったんですか?それとも声をかけられたんですか?

「やりたいなー。でもどうしたらいいんだろう」と言っていたら「展示会場はいくらでも借りれるよ」と周りの人に教えていただいたのですが、自分から行く勇気がなくて。そしたら声かけてくださった方が人がいて、じゃあもうやりたいようにやろう!と、布を染めてくれている友人と一緒にやることにしました。お客様が来る・来ないじゃなくて、たとえ一人しか来なくても、自分たちのつくったものを展示して、作品そのものや展示の雰囲気、私達を知ってもらえたらうれしいよねという思いでやったのですが、当日はたくさんの方が来てくれました。会期中に開催したワークショップにもたくさんの方に参加頂きました。

予想以上にお客様が来てくださり、手が回らない場面もあり反省点もいっぱいありましたが、とにかく「すごい楽しかった!」の一言です。勢いでやってよかったです。

あと、子どもがたくさん来てくれたことも嬉しかったなあと。私自身、娘と一緒に展示会や個展などにいけたらいいなといつも思っているのですが、子連れでいけないところもまだまだ多くて。自分の展示会は子どもと一緒に来やすい環境がつくれたらと思っていたので、それが実現できてよかったなと思います。また個展をしたときは子連れ大歓迎ですよ。

――展示会とは別に、子どもたちが服に絵を描く企画をやっていましたよね。あの企画、すごく素敵だなと思っていました。あの企画は大川さんがやってみたいと思ったのが出発点だったのですか?

新型コロナウィルスの影響で外出ができない中、娘が絵を描くことが好きなので、家の中で大きな布に絵を描かせて、それを服に仕立ててInstagramにアップしたんです。そしたら、それを見た人たちがコメントをたくさんくださって。

それがきっかけで最初はキッズ撮影会で何人かの子どもたちとやってみました。そのあと造形教室の先生にも声をかけていただき、一緒にワークショップを開催することになりました。

このワークショップは自分のつくった服が違う表情に変わるのがすっごく楽しくて。こんな時だからこそ洋服をつくることでみんなを楽しませることができたら、という想いが形にできました。子どもと関わるワークショップは、今後もできたらいいなと思っています。

――子育てと仕事が分断されてしまうのではなく、こういう形でリンクしていることがすごく素敵ですね。ichietoittenの活動を始めてからもうすぐ2年になりますが、2年前と今の自分で変わったなと思うところはありますか?

やっぱり行動的になったなと思います。自分が動かなければことが進まないことに気づきました。おかげで周りの環境も、仕事も、たくさんの変化があったなと感じてます。そしてたくさんの作家の方やお客様と出会えました。あと、年を重ねて、怖いものがなくなって来ました(笑)若い時のほうが躊躇していた気がします。今やりたいと思ったことは今やらないときっと後悔するなあと。今やりたいと思ったのなら1年後じゃなくて今しかないんだって思うようになりました。そしてやると決断したらもう動くしかない。という精神で最近はやっています(笑)

あと、2年前にはない達成感を味わえたことがよかったなと思います。特に展示会やワークショップ。自分たちで作って形にするその達成感がまた次もっと頑張ろうっていうエンジンになりました。

――活動を始めるとき、ご家族はどういう反応でした?

実は、夫にはなにも言わずにはじめました(笑)。いつも何かしら洋服はつくっていたし、イベントもちょこちょこ出てたりはしていたので、その延長線で知らないうちに結構本格的にやっているみたいな感じにしていきました。夫は「好きにやりなよ。やりたきゃそれを仕事にすればいいじゃん」みたいな感じの人なので、もちろん洋服を販売しているということは知っていますが、細かく状況報告はしません。

娘はすごく応援してくれていて本当に感謝しています。マーケットなどに出ると、「いらっしゃいませ~!」って販売のお手伝いをしてくれたり(笑)。みなさんにかわいがっていただいて。でもイベント前になったりするとバタバタで、どうしても娘に背中を向けてミシンをやらなきゃいけない時間が多くて、イライラしちゃったり。「私の仕事はこれでいいのかな、娘はどう思ってるんだろう」と思ったりする時もあって。でも私が作業をしていると「ありがとう!」とか「がんばれ!」みたいな手紙を書いてくれて部屋にポンって投げてくれるんです。子どもながらに私の仕事に少しずつ理解を示してくれることがとても嬉しいです。いつも部屋に入ってきてじーとみてますよ、なんか視線をすごい感じながらミシンをしています(笑)。

――ブランドを立ち上げてから2年の間、楽しい事ばかりではなかったと思います。それでもこの活動を続けている原動力はどこにあるのでしょうか?

最初の1年は試行錯誤の日々で、右も左もわからない状態でずっとやっていました。そんな中、売れ筋をつくらなきゃいけないと、あれもこれもつくってという時期もあり、でもそれって私がつくりたいものなのかなと。それは自分のためでもないし、誰のためにもなってない、なんのためにこの仕事しているんだろうと。でも、2年目になって、自分が本当につくりたいものに立ち返って戻ってみようと思いました。全員に受け入れられなくても、今自分のつくりたいものを一生懸命つくって、自分が好きな洋服を、自分の服を好きでいてくれる人が1人でもいいから着てくれたらいいなって思うようになったんです。その気持ちを大事にしていけば、自然と楽しくやれると思いました。そして細く長く自分のペースで続けられたらいいなと思います。そして周りの人に私は支えていただいて仕事がやれているなといつも感じます。そんな方達とまた仕事ができる、お客様に喜んで頂ける、その楽しさが原動力になってますね。

――1年目にとにかく動いてみる、試行錯誤してみると頑張った結果が今に繋がっている感じがとてもしますね。その頑張っている姿や、思いを込めてつくっている姿を周りの方が見てるからこそ、声がかかると思うんです。HELLO MARKETは小商い初心者をサポートしますと言っているけれど、大川さんには私たちのサポートなんて全然いらなくて、私たち全然役に立ってないですね(笑)すみません。。(笑)

そんなことないです。一番最初がここですから私。安定して出せるってこともやっぱりすごく大事だと思っています。他の出店場所は必ず出られるわけではなくて、応募しても先着順だったり、応募して落とされちゃったり。継続して出店できるところもなかなかないですし。さらにはコロナの影響で今はさらに出店先を探すのも難しいですよね。

定期的に同じ場所で出店できると、常連さんもたくさん来てくれるし、顔見知りの方や、出店者さんがいると安心でき、いつもここではホッとしながら楽しく出店させて頂いています。仕事のこと、個人的なことも相談しやすいですし、次はこうしてみようかなとか、値段はどうしようかなとか、ここで繰り返し出店していく中で検討を何回もできたし、実験ができたのはとても大きいなと。

昨年はいろいろなマーケットに出店してみて自分のイメージと合う場所を模索していました。いろいろ経験した中で、ここ最近は出店をするのはHELLO MARKETだけ。1ヶ所安定して出店できるマーケットがあると心強い。あとは展示会や個展をやったりできたら面白いかなって思っています。マーケットと展示会とではまた違う楽しさがあるんですよ。マーケットではいろんな方に出会えてフランクにお話できるのが楽しいし、そこから学ぶこともたくさんあります。また他の作家さんと情報交換もさせてもらえて、いい機会にもなっていますね。活動場所やスタイルを一箇所に絞らず、少しずついろんな活動をしていけたらいいなと思っています。

――「好きなことを続ける」って、趣味という形も選択肢としてはあると思うんです。大川さんは好きなことを趣味からビジネスにしてみて変わったことはなんでしたか?

自分の世界観が出せるというか、自分の存在意義を見つけられた気がしました。やっぱり家庭に入ってしまうとなかなか自分の世界観を外に出すことないじゃないですか。自分って何だろうって考えた時期もあったんですけど、ichietoittenとして自分の世界観を出す場所ができたっていうのは、すごく大きいなと思って。趣味でやるのも楽しかったですけどそれは自分の中で楽しんでいるだけで、仕事にしたことで外に対しての自分発信に変わったなと実感しています。自分で企画・運営・制作・販売すべてをやる。売れなければ反省して改善する。そのフルセットでやれるってすごい楽しい。ただつくるだけじゃなくて、いろいろ考えるのが面白いです。売り場の配置や演出を考えるのものも、どんなテーマで今期はやっていこうかなと考えて形にしていくのも。イメージに近づいたなとか、まだまだだなとか、お客さんの反応を直接見ながら次を考えることにワクワクします。

――活動の今後の目標は?

また展示会をやりたいです。本当は2020年の6月に展示会を予定していたんですけど、コロナの影響で中止になってしまって。改めて2021年にちょっと考えています。沖縄でもなにかやりたいなと思っています。草木染で布を染めてくれる友人は沖縄にいるので。

それと、だいぶ先の目標ですがいつか自分のアトリエが持てたらいいなと思っています。それもただの作業スペースとしてではなくて、個展ができたり、誰かを呼んだりできるような。オープンな作業場って面白いなって。お金が結構かかるので、ちょっと夢のまた夢ですけどね。

――これから自分でなにか活動をはじめてようかと悩んでいる人に、ひとことお願いします!

「楽しさに繋がることはなにか」「誰と過ごしたいのか」「何をしたいのか」など、今この瞬間を楽しむことが大切かと思います。駄目だったらその時また考えればいい。そんな感じで一歩踏み出すのもいいんじゃないかなと思います。


「新しいことを始める」「今いる状況を変える」というのは、誰しも恐れや不安があるものだと思います。でも、勇気を振り絞って一歩前に進んでみる。できることからはじめてみる。そうやってなにかにチャレンジして前へ進んだ人だけが見える世界、繋がる世界があるのだということを大川さんは教えてくれました。
大川さんのように、みんなが「今」を自分なりに楽しめたらいいなと思います。

「今が楽しいか」と自分に問いかけて、本当はやってみたいこと、夢見ていることがあるけどその気持ちに蓋をしてしまっている人、一歩を踏み出せずにいる人は、ぜひ勇気を出して一歩踏み出してみてください。
一人ではその勇気がでなければ、未来への希望を胸に、友人や家族、そしてもしよければ私たちHELLO GARDENにその想いを打ち明けてください。
「誰かに相談してみる」も大事な一歩だと、そこから次のステップへと繋がっていくと、私たちは信じています。

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