ぐるぐるサーカス
\選書大公開/
ぐるぐるサーカス「選書コーナー」に並ぶ本たちを紹介します。
ぐるぐるサーカスの企画を進める中で、私たちスタッフ自身も気候変動や環境問題についてまだまだ知らないことがたくさんあるなぁ〜と、途方にくれることもしばしば…。ここで紹介するのは、そんなとき、たくさんの知識と勇気を与えてくれ、手を差し伸べてくれた、ポジティブな本たち!
「つい最近、ちょっとずつだけど気候変動や環境問題に興味を持ち始めた!」という方はもちろん、「もう少し深掘りしてみたい!」「親子、家族ぐるみで色々取り組んでみたい.!」という方にもオススメの本や雑誌、漫画をご用意しました!
是非、お手に取ってご覧ください◎
1. 最近、地球が暑くてクマってます
水野敬也・長沼直樹+監修・江守正多/文響社
北極に暮らすシロクマの親子が、私たち人間に気候変動の問題についてを語りかける一冊。分厚い本ですが、1ページ毎の文字数は少なめ。写真や図解が多く、大人なら20分程度でリズムよくパラパラと読み進められます◎巻末の「熊の巻」には、地球温暖化を解決に導くための、シロクマ君からの提案がいっぱい。この「熊の巻」に書かれていることこそが本題なので、必見です◎
2. ドローダウン地球温暖化を逆転させる100の方法
ポール・ホーケン(江守正多・監訳/東出顕子・訳)/山と渓谷社
『最近、地球が暑くてクマってます』を読み終えて、もう一歩先へ進みたいと思ったときに読んでみるのがおすすめ!分厚さと表紙のデザインから堅苦しい内容なのでは?と、ちょっぴり怯んでしまいますが、この中で自分にもできることはないかな〜と辞典のように活用してみると◎今回の企画のヒントも、ここからたくさんいただきました!
3. 沈黙の春
レイチェル・カーソン(青樹簗一・訳)/新潮文庫
ある日突然、鳥のさえずりも、虫の鳴き声も聞こえない、静かな朝が訪れていたら…そんな恐ろしい未来が訪れたとしたら?自然破壊に警告を鳴らした先駆者、レイチェル・カーソンの著書として注目を浴びた一冊。発行から約60年。今の状況を著者のレイチェル・カーソンはどう思うのでしょう…。
4. センス・オブ・ワンダー
レイチェル・カーソン(上遠恵子・訳)/新潮文庫
子ども時代に如何に自然に触れ、その偉大さや美しさ、そして恐ろしさまでを肌で感じておくことが、その後の人生をどれほど豊かにしてくれるものなのか―。自然と触れ合うことで得た、気付きや学び。詩的な雰囲気をもちつつも飾らない、そんな言葉でつづられたレイチェル・カーソン最後の著書。
都市で子育てをする大人におすすめしたい一冊です。
5. しんでくれた
谷川俊太郎・詩+塚本やすし・絵/佼成出版社
頭ごなしに肉食を否定するのではなく、まずは「人間は誰でも必ず、何かの命を“いただきながら”生かされている」という事実を理解することが大切。そのうえで、「では、自分は生きるために何の命を選ぶのか」を考えるきっかけになればと思ってこの本を選びました。絵本風な構成によって、ページ毎に一つひとつの言葉がダイレクトに刺さります。大人にこそ開いてほしい一冊!
6. ボクらはみんな生きてゆく!
アキヤマヒデユキ/小学館
著者のアキヤマさん自身の物語。新人猟師の目線で、農村で暮らす日々が赤裸々に描かれています。私たちが安心して野菜や果実を食べることができている裏では、農家さんたちが苦悩している?!「農家の皆さんが害獣たちとどう向き合っているのか」、「自然と共存するというのはどういう事なのか」を、テンポよく学べるリアルコミック!
7. ぼくは猟師になった
千松信也/新潮文庫
著者が新人猟師として暮らしていた頃の実話。幼い頃から虫や動物の存在が身近な環境で育ち、「人間の自然への関わり方」についてずっと考え続けていた著者。そんな中で出会った「ワナ猟」の師匠が、彼の生き方や価値観に大きな影響をもたらすことに…!!
8. 八百屋とかんがえるオーガニック
warmerwermer/アノニマ・スタジオ
日本市場に1%ほどしか出回っていない「古来種野菜」を、少しでも多くの人に食べてもらいたいと八百屋業を営む高橋さんは、「農と農業」「手仕事と機械化」「自然と化学」といった、社会の中でそれぞれ役割が異なるものたちが融合するベストなバランスはどこかを探りつつ、新しい時代の食のあり方を思考し続けています。彼の想いに触れることで、読み終える頃にはふっと肩の力が抜け、種や野菜をもっと愛おしく思えるようになるかも^^
9. 段ボールはたからもの 偶然のアップサイクル
島津冬樹/柏書房
世界中の様々な市場を訪ねて段ボールをもらい、本来の姿よりも更に魅力的な形に変身させて、また世に送り出すことをナリワイにしている著者。なぜ「リサイクル」ではなくて「アップサイクル」なのか。島津さんの世界の旅日記と共に、その楽しさに触れてみては?DIY好きにおすすめ!
10. 2030年の世界地図帳
SDGsって何?の入門編。今世界はどうなっていて、近い未来はどうなっていくの?このまま何も手をつけずに、今のままの過ごし方を続けた先に待っている状況を、図解と対談をベースに分かりやすく教えてくれる一冊。2030年。遠いようで、意外とすぐそこに近づいていますよ…!!
11. 人新世の資本論
斎藤幸平/集英社新書
「SDGsは大衆のアヘン」という衝撃的な一文に一瞬ゾッとするのですが、読み進めてくと、現在の気候変動の問題を引き起こしている社会システムそのもをひっくり返して考えるという斬新な提案がなされており、まさに目からウロコ。今の当たり前を疑う視点を持てる一冊!
12. 地球の未来のため僕が決断したこと
ビル・ゲイツ(山田文・訳)/早川書房
あの、マイクロソフト社をつくったビル・ゲイツ氏が、発展途上国の健康や貧困の問題にも取り組む慈善活動家であることを知っていましたか?2050年を見据え、環境問題の改善と経済を両立していくための彼のビジョンがこの1冊に集約されています。全部読むのはちょっと…という方は、12章だけでもご一読を!!
13. やっぱり、このゴミは収集できません~ゴミ清掃員がやばい現場で考えたこと
マガジンズ滝沢秀一/白夜書房
お笑い芸人の仕事を続けつつゴミ収集会社に就職し、今も現役でゴミ回収に従事されている、マシンガンズ滝沢さんの著書。ゴミ清掃員が日々直面している過酷な日常を、芸人さんならではのテンポの良い文章で描いています。ゴミの出し方についてあらためて考えさせられる1冊!
14. サーキュラーエコノミー
安居昭博/学芸出版社
環境問題の解決=(イコール)我慢や制限、経済衰退…といった苦しいイメージが強くあるという人も少なくないでしょう。この本では、国民にポジティブなイメージを持たせつつ、国全体で良い暮らしを実現させているオランダの事例を紹介しながら、日本でも取り入れられそうな新しいシステムが提案されています。仕組みごと変えるって大事!!
15. 循環
湘南乃風の若旦那こと、新羅慎二氏が、気候変動問題に取り組む親しい友人たちと共に完成させた渾身の1冊。気候変動の話ってなんだか難しいし、環境に優しい暮らしってなんか禁欲的で苦しそう…そんなイメージを払拭する前向きなインタビューがズラリ。今まで考えもしなかった、暮らしの中の選択肢が広がるきっかけになればと思い、推薦します!
=雑誌編=
FRaU
講談社
講談社の「FRaU」はファッションやビューティーといったコンテンツだけでなくSDGsにも力を入れている女性誌。2018年から始まった、全編SDGs特集というスタイルの「FRau SDGs」は話題となり、2021年10月現在、5冊めまで発刊されています。
SDGsを特集しているからといって、誌面で紹介する商品や取り組みを一方的に押し付けるような表現はありません。女性誌ならではのノウハウを活かし、デザイン性やクオリティにこだわったものを取り上げることで、「いいな」と思った読者が自然と自身のライフスタイルに合わせたサスティナブルチョイスができるような魅せ方がなされています。
本を読むのは苦手な方も、一度ファッション雑誌感覚で手にとってみてはいかがでしょうか。気づかぬうちに、地球に優しい消費が身につくかも―。