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【インタビュー/良き日】「面白がるこころ」が生み出す関係性と文化

あの人の話

2019年に「あの人の話 Issue 03」で紹介した野村 亮さん。
3年の時が経ち、野村さんとHELLO GARDEN、そして西千葉のまちの関係性に変化が生まれました。それは、野村さんがHELLO MARKETを卒業し、HELLO GARDENから徒歩30秒のところに「キッチン 良き日」をオープンしたから。

あらたな挑戦をはじめた野村さんとHELLO GARDEN代表の西山が、前回のインタビューとはまた違った視点であれこれ話をしてみました。


自分から動くことで生まれた心地よい関係性

西山:野村さんがHELLO MARKETに出店しはじめた2017年の秋からもう4年半。つまりもう少しで私たちが出会って5周年!あっという間ですね。

野村:そうだね、4年半か。あっという間だね。第3回からだったかな、俺がHELLO MARKETに参加したのは。そのときはまだHELLO GARDENについて何も知らなかったから、メールを送った後に実はこっそりのぞきに行ったんだよね。夏だったから草ボーボーで、ここは大丈夫なのかな?と不安になったのを思い出した(笑)

西山:そうそう、まだHELLO MARKETを始めたばかりだったね。あの頃はHELLO GARDEN自体も今より空き地感満載で(笑)私、野村さんや同じく当時出店してくれてたkame booksの吉田さんをすごいなって思うのが、2人とも以前からHELLO GARDENや西千葉ってまちに繋がりがあったわけでもないのに出店を決めてくれたっていうところなの。私が言うのもアレだけど、今振り返るとよくあの場所に出店してくれたよねって状態だったからさ(笑)

野村:確かに当時のあの場所に出店するってすごいよね。続けるか続けないかは実際やってみてから考えようって気持ちではあったけど。

西山:私たちもマーケットの運営は初めてだったから、内心どこまでできるんだろうって気持ちがあって。でも野村さんが来てからちょっと自信がもてたの。売る人の熱意と、その人が一生懸命つくったもの、そしてそれを応援しようっていう私たちの気持ちがあれば、お客さんはついてくるんだなって。そして、「売れない=場所が良くない」で片付けるんじゃなくて、「もっと出店者さんと運営側でお互いやれることがあるはず」って思えたというか。野村さんがいなかったら、出店者さんたちの売上が伸びない状況が続いたときに、「この場所がマーケットに向いてないのかも」って、場所のせいにして諦めちゃってたかもしれない。

野村:そうだったんだ。さっき話に出たkame booksさんも今では小さな本屋を開業してて、来週この店で彼の企画したイベントをやるんだよ。結果論だけど、やっぱり自分から動く人が続くんだろうなと思うよね。動くことで道が開くというか。俺はHELLO GARDENと出会った当初、本業の合間に実験ガーデン※の活動に参加するって生活をやってみて、「これは面白いな、体は大変だけどストレスは相当減る!」って気づいたわけ。いい意味で仕事と休みがぐちゃぐちゃになっていく感覚っていうのかな。自分の時間を過ごすのに「土日まで待たなきゃ」っていう縛りがなくなった。だからそういう時間の過ごし方が、もっと社会に浸透すれば面白いって思ってる。

結局そうやって動いたから、HELLO GARDENのみんなと話す機会が増えて、繋がりも深くなって、それが今に繋がってると思う。だから何に対しても色んな角度から踏み込んでみるって大事だよね。

西山:野村さんと私たちが「出店者と運営者」っていう単純な関係性じゃないのも、そういうところから始まってるよね。実験ガーデンの活動を通して共に体験したこともあるし、たわいもない話もたくさんしてきた。そういう時間を共有できたっていうのは大きいと思う。単純にマーケットの時間を同じ場所で過ごしてるってだけじゃなくて、もっと深い意味で時間と空間を共有できてたんだよね。そういう関係性があったから、良き日のお店をつくるときも悩まずにお手伝いできたんだと思う。

野村:店をつくるとき、言語化に頼らず感覚でコミュニケーションができたのは助かった。はたから聞いてハチャメチャなことを言ってたとしても、めいさんは「それってこういうことだよね」って分かってくれるっていう。それができたのは、それまでの3年間があったからかもしれないね。

西山:きっと私たちとだけじゃなく、野村さんは周りの人ともそういう関係性が築けてるんだと思うよ。HELLO MARKETってある意味でコミュニティ的なところもあって、あの場で出会った人が刺激を与え合ったり、いい関係性を築いたりすることも多いんだよね。野村さんもそういう出会いや関係性づくりを大事にしてくれる1人だったのがすごく嬉しかった。野村さんが実店舗をオープンするときも、マーケットで出会った人たちが色々関わってくれたよね。お店ができた後も、ここで間借りをしたり展示をしたりする人がいて、同じ場を共有した仲間との関係性が今も続いているってことが嬉しいし、私としてはHELLO GARDENがそういう関係性が生まれるきっかけの一つになれていたらいいなと思ってる。

野村:彼らといい関係性をつくれたのは、HELLO MARKETの存在がやっぱり大きかったと思う。自分は商品そのものっていうよりか、それをつくってる人、売ってる人を見ちゃうの。万人うけする綺麗なものでなくても「この人の自己表現は面白いな」って思える人に興味が湧いちゃうんだよね。HELLO MARKETではそういう出会いに恵まれたんだと思うよ。

西山:野村さんが仲良くなったり面白がる人って、誰かのまねごとをしてるような人じゃなくて、ある種の偏愛というか、その人自身がちゃんと出てる人だよね。「私はすごくコレが好き」とか「周りにどう言われようと私はこれを届けたいし、これを表現したい」とかさ。野村さんはそういう人に対してアンテナが敏感に反応するというか、最初に声をかける時点で仲良くなれそうだなっていう人を見極めてるような気がする。それこそお客さんとの関係性づくりも似てるんじゃない?

野村:そうだね、基本的に人との関わり方は、最初から受け身のスタンスではないかな。ある意味、自分のほうからも関わる相手を選んでいくっていう。相手を選ぶっていうとちょっと偉そうに聞こえちゃうかも知れないけど、でもそのほうがやっぱり自分も楽しいし、会話も合うし、結果的に関係性も強くなってくるわけだからね。悩まなくていいし、悩む必要がないともいえるかな。自分のやりたいことを好きな人たちと一緒にやっちゃってるんだからね。お客さんに対しても、相手に合わせるというよりは、こちらのファンになってくれる人を一人ずつ増やしてくイメージかな。

実店舗をもつということ

西山:良き日の実店舗がオープンしてもう1年だね。でもこのコロナ禍でお店を開けるっていうのは悩みが多かったんじゃないかと。開業は決めたけど、野村さんのやりたいことと、世の中のいろんな情勢とできっとすごく悩んだよね。

野村:めっちゃ迷ったよ。コロナが終わらないんじゃないかって思ったしね。お店について最初にめいさんに相談したのは夏ぐらいで、本腰入れ始めたのは10月ぐらいだったと思う。もうこのコロナの状況が逆にチャンスだと思って、やってみようかなって感じだったかな。コロナ禍っていうのもあって、全部が順調にポンポン進んではいないし、仕事を辞めてやることがない時期っていうのも結構あったんだけど、それでも今となってはあっという間に感じる。

西山:良き日が実店舗になったらいいなとずっと思ってたから、開業すると聞いて「行け行けー!」って言いながら、でも心の中ではあの瞬間に決断できたのはすごいなとも思ってた!

野村:今だから言えるけど、トラブルが手助けしてくれたっていうのもあるよ。たとえば工期が遅れたせいで、即オープンではなかったでしょ?あれが即オープンだったらまだ本当に渦の中だったかもしれないしね。手配や工期が遅れたり、いろんなことがうまいこと作用してくれたのかなとは思う。

西山:一切の試しもなくいきなりお店を出すのと、3年間HELLO MARKETという場所でトライアル期間を経てからお店やろうって思うのとでは、きっと心持ちが全然違ったよね。これは本当にタラレバの話になるけど、もしHELLO MARKETに出店していなかったとして、同じコロナの状況になったときに、勤めていた仕事を辞めて自分でお店を始めようって気持ちになったと思う?

野村:たぶん思えなかっただろうね。それに、オープンしたてでもう何年もやってますよってくらいの余裕があるというか、お店に立ってる自分に対して違和感がないというのは、HELLO MARKETでの準備期間があったからだと思う。

自分は昔よく「のむさんってコックじゃないよね」って言われてたの。当時の自分はその意味をあんまり理解できてなかったんだけど、この年齢になって、あらためて「ああ、なるほどこういう意味だったのか」って納得できたというか。コックの拘束時間って長いし、そうなると日々働いてる中でコックにしか会わない。良くも悪くもコックの世界の中での付き合いがメインになるんだよね。それを何十年続けてきたけど、俺は料理人の友達でずっと付き合いが続いてる人っていうのがほぼいなくてさ、でも異業種の人と知り合って話すのはめちゃくちゃ面白いから好きなの。HELLO MARKETで知らない世界の人たちと出会って、興味が湧いて、そういう人たちと付き合っていくスタイルが自分にとっては自然なんだと再確認できたんだよね。だからもしHELLO MARKETに出店していなかったら「コックじゃないよね」って言われたその本当の意味に気づけないままだったと思うし、「ふざけんな俺はコックだよ」っていう反発心だけもち続けてたような気がする。きっと「俺の職業はコックしかない」って思い込んで、調理師募集に延々と応募し続けてたかもしれないね。

西山:自分でお店をもつってなると、コックの役割以外にもいろいろやることがあるしね。そういうのを含めて考えると、「職業はコックですか?」って聞かれたら、たぶんコックじゃなくて「良き日っていう事業をやっている人」なんじゃない?誰かとコラボしようみたいな企画も自分でやるし、誰からどんな食材を仕入れるかっていうバイヤーの役もやるし、自分でいろんな役をこなす必要がある。だから雇われてコックとして働くっていうのとは、もうまったく別の職業なんだろうね。

野村:うん、全く違う。振り返ってみると、HELLO MARKETに立ってる日の俺はコックじゃなかったんだよ、いつだって。前日まではコックとして美味しいものをつくるけど、あの場に立ってる間の自分は、売り子であり、お客さんの反応を見るマーケターでありっていう。コックだけじゃなくていろんな顔をもってたし、それがめちゃくちゃ楽しかった。その面白さを知って開業しようって気持ちが膨らんだっていうのはあるよね。そこで「確かに自分はコックじゃないな」って納得したというか。あの時コックじゃないって言ってきた先輩は、自分のことをよく見てたんだな(笑)

西山:すごいなあ、その先輩。もしかしたら、コックじゃなくてもっと野村さんらしい働き方があると思うよっていう気持ちが裏にあったのかもしれないね。もちろん、世の中にはコックが向いている人もいるじゃない?

野村:それは確かにいるし、そういう人たちに自分はコックとして敵わないと思ってる。だからコックって名乗りたくないっていう気持ちもあるね。本当にコックが向いていて、フレンチ一筋、イタリアン一筋でやってきた人たちを知ってるから、そういうネガティブな意味での「コックじゃない」っていう気持ちもある。良き日をキッチンっていう肩書きにしたのも似たような理由があって、開業するってなったときに「ビストロがいいんじゃない?」って案が出たんだよね。でも自分にとって理想のビストロがすでにあるから、それに近づけるわけがないって思ってさ。だからビストロとは名乗らなかった。

西山:野村さんのお店って、周りを蹴落としてランキング上位を目指すというより、「ほかにはないから面白いし、素敵!」ってところを武器にして道を切り開いていくスタイルだよね。私はそれがすごくいいなって思ってるし、そのスタイルって実はお店だけじゃなくてみんなの仕事や生き方にも結構通じることだと思うの。

野村:正直、フレンチ一筋とかでやる人のかっこよさには憧れる。でもそれ以上に、サッカー選手の中田や格闘家の須藤元気もそうだけど、過去の栄光とか現状にすがらずにスパッと辞めて転身できるっていう人たちに憧れるんだよね。プロレスで俺が一番好きなレスラーが、馳浩って人だったんだけど、その人はめちゃくちゃかっこいい負けっぷりをする人で、負けようがどうなろうが主役になれる人だった。頭も良くてさ、プロレスを辞めたあとは国語の先生をやったり、文部科学省の大臣になったりって。それも自分の能力が衰えて転職ってわけじゃなくて、すっぱり辞めて次へ行くっていうのが本当にかっこよかった。自然とそういう人を見てしまうというか、惹かれるんだよね。だからどこかの誰かと競争しようとも思わないし、みんなそれぞれに個性があっていいなって思う。

仕事と暮らしへの向き合い方

西山:お店をもったことで、働き方もきっと変わったよね?最近「お店に来るのが出勤するって感覚じゃない」って言ってたのが印象的だったんだけど、以前と違う働き方になって、働くことに対する気持ちや捉え方が変わったりもした?

野村:変わったね。ここ半年は何もない日というか、家でぼーっとするっていう時間はもうほぼゼロに等しいかな。休みの日でもどこかへ出かけることが多いしね。それでも不思議と疲れてない。きついといえばきついけど、働いてるというイメージはあんまりないね。働き方だけじゃなくてお金の面での感覚も変わったと思う。オープンする前は「最低でもこれぐらい欲しいな」とか考えてたけど、開業してからはその辺の執着もなくなったというか、自分にいくら入ってくるとかはあまり気にならなくなったかな。

西山:勤め人のときって、どこか「働く日」と「余暇」っていうものの間に線を引きがちだよね。でも自分のやりたいことを仕事にすると、「働く」と「遊ぶ」と「暮らす」ってことの境目が溶け合ってきて、「遊んでいるのにお金も入ってくる」「出勤してるんだけど余暇でもある」みたいな感覚になれるというか。

野村:そうそう。ありがたいことに満席の日もあるし、賑わってる様子をSNSにアップすれば、ずいぶん良き日はうまくいってるようだって思う人もいるかもしれない。ただ、開業前に設定した目標の数字に届いてるかといったら、そういうわけじゃない。でも、今それでカツカツでやばいと思ってるかっていえばそうでもなく、「家賃払えたな」とか、そんな感覚。本来、雇われればある程度の給料がもらえる年齢なんだけど、現状の売上じゃそれと同等の収入にはなかなか追いつかない。だからといってやばいとも思わないし、貧乏暮らしをしてると思ってるわけでもないのよ、不思議とね。

西山:もちろんお金は大事だし、生きていくために最低限のお金は必要ではあるけど、やっぱり人が生きていく喜びって、必ずしもお金で買うものだけじゃないと思うの。なにかに縛られずに自分がやりたいように自由に表現できるとか、その表現を受け取って喜んでくれる人がいるとか。自己肯定感っていう言葉だけでは表わせないけれど、そういうものを得られるかどうかも大事なんだと思う。

野村:きっとそうなんだろうね。雇われていたときは、自分が満たされない部分をお金とか昇給とかで満たしていたってことなのかもしれない。でも毎日が楽しければ、「今日は結局一食しか食べてないな」とかでも、それで十分満足って感じられるんだよね。

西山:人がすごく満たされるのって、お金や何かしらの対価を貰えるかどうかに関わらず、自分のやりたいこと・興味があることを、一緒にやりたいと思う人とやれていて、それを自分も周りも肯定できてるって状態なんじゃないかと思うんだよね。たぶん「生活は保証するので働かなくてもいいし、好きなことをしていいです。」という社会だったとしても、野村さんはこのお店をやると思うの。そのくらい「やりたいことをやれている」か、「やらなければいけないことをやっているか」の違いは大きい気がする。だから今の野村さんの話を聞くと、本当にやりたいことをやれているんだろうなって思う。仕事だけど本気の遊びをしてるというか、決して手を抜いてるって意味じゃなくてね。

野村:正直、オープンして数ヶ月は「やばい予算達成してない」とかって不安になることもあった。でも最近はね、別に雇われてるわけじゃないし、誰かを雇ってるわけでもない、そうなると別にいいのかっていう考えにシフトしてきたように感じるね。ふと「こんなんでやっていけるのか」って思いがよぎることもあるけど、たぶんやってけるんだろうなって楽観的な考え方になってきたというか。そう思えるのはきっと純粋に楽しいからなのかもしれない。やっぱり「楽しい」を自分で続けられる環境にしていかないと、結果はついてこないと思うから。あまり慌てたり悲観的になったりせずに、まずは目の前のことを面白がる。面白がってれば誰かしらはついてきてくれるかなって思う。

ベースにあるのは面白がるこころ

西山:「面白がる」っていいキーワードだね。たしかに野村さんはいろんな物事を面白がってるイメージ!

野村:うん、やっぱり「面白がる」ってことは常に大事にしてる。面白いことはいくらでもあるし、面白いことに参加すれば面白いに決まってるんだけど、面白くないことも面白がるのが大切というか。それがつまり大人が本気で遊ぶ、ふざけるというところに繋がってると思うんだよ。たとえば、最初にこの店で魯肉飯を出したとき、同じ台湾だから欧陽菲菲の曲を流すみたいなことをやってたの。とくに深い意味がないことでも、とりあえず自分が面白がってりゃ誰かがついてくるかなっていう。「これ絶対面白いですよ!」って押し付けるんじゃなくて、まず自分が面白がってる姿をインスタなり店頭なりで誰かが見てくれて、その中の1人でも「面白いじゃん」って乗っかってくれればいいなっていうのが自分の考えではあるよね。だからこそ、面白いなって人がいれば自分からもどんどん関係を築いていこうって思う。

西山:面白がるっていうのが本当に野村さんの良さだよね。いつもユーモアに溢れてるし、異文化にもどんどん興味をもつし、人のことも面白がる。野村さんは視界に入ったものに興味をもったり、面白がったりする天才だなって思ってる。そして、野村さん自身がいつも楽しそう(笑)

同業者・異業者問わずどんどんコラボしちゃうのも、面白がるの精神が根っこにある気がするの。良き日ってお店は野村さんの今までの経験を表現した料理があるだけでもう十分魅力があるのに、どんどん新しいメニュー(しかもいろんな国の!)が登場したり、さらにいろんな人が関わったりすることで、「今日はこんな味が味わえるのか」「今日はこんなコンテンツもあるのか」「ここってこんな表情に変わるの」とかっていう面白さが生まれる場所なんだと思う。その面白さが、わざわざここに来たいって人を増やしたり、また行ってみたいって思わせたりする要素になってるんだろうね。それって実は誰にでもできることじゃないなと思っていて、野村さんの軽やかさというか、枠や固定概念にとらわれずにいろんなことを面白がったり、人を信用して任せたり頼ったりする「野村さんらしさ」がうまく活かされてるんだと思うよ。

「周りの人はやってないけど、面白そう!」みたいなことを躊躇せずやっちゃうのも野村さんの魅力だよね。

野村:これまた全部結果論になっちゃうし、ポジティブな考え方なんだろうけど、でも面白がってやってみた結果、この前HELLO GARDENで開催した犬同伴OKっていう良き日のイベントもたくさんお客さんが集まったしね。面白がって楽しんでやっているうちに、自分の得手が見つかるかもしれないし、どっかしらが伸びるんだろうなと思ってる。

西山:そのイベントの話に関連していえば、野村さんはお店でできないことをただ諦めるんじゃなくて、「場所と形をかえたらいい」って頭に切り替えて、それを実現してるよね。その発想の柔軟性は、やっぱり野村さんの魅力だと思うな。そして何より、それを実現させるための場所としてHELLO GARDENをチョイスしてもらえたっていうのが本当に嬉しかった。

野村:よくHELLO GARDENが言ってる「使い倒す」、つまりいい意味で利用するっていうのは何に対しても大事だと思う。相手にもよるのかもしれないけど、本気で利用しようという気持ちが伝われば、利用されてる側も嬉しいと思うんだよね。

西山:本当にそう。私たちが言う「使い倒してほしい」っていう言葉の意味は、決して「大変なことは全部こっちでやるから、みんなは楽して、いいとこだけ授受してくださいね」ってことではないんだよね。私たちのもってる知識や環境を貸すことで、みんなが「ほかでは無理だけど、ここならこんなことができるかもしれない」ってことを考えて、思い切りなにかに挑戦したり、本気で遊んだりっていうことをサポートできたらいいなって思ってるの。野村さんはまさにそういう使い方をしてくれてるなって感じる!

野村:自分のお店は最高の場所だけど、やっぱり欠けてるものもある。でもだからといって「じゃあ移転しましょう」とはならない。欠けてる部分や足りないものはほかの場所で補えばいいって思うからね。そもそも今のお店のスタイルだって、あくまでも自分が料理を提供して商売をするためのデザインにしただけで、そこで料理以外のことをやったからといって誰かに怒られるわけでもないでしょ?あくまでもここはただの箱という感覚をもっていたほうが、アイディアの幅が広がって面白いなと思ってる。

西山:野村さんが今言ったことと重なるけど、野村さんの商売や職業、表現とかって、この箱の中だけで完結させる必要はないんだよね。もしやりたいことがこの場所でできないなら、できるところに出て行けばいい。野村さんみたいにいろんな人と関わったり、いつもと違う場所に出て行くことを面白がれると、自分自身の可能性も広がるし、そういう人がたくさんいるまちって面白くなるだろうなって思う。東南アジアや北欧みたいに、みんながまちなかで勝手に歌いはじめたり、イベントやったりできたら面白いのにね(笑)でも現状の日本はそれがたやすい社会ではないことも分かってる。だから、「ここでならやっていいよ!」っていう場所を用意すれば、みんなも気軽にやりたいことができるんじゃないかなって思って、私たちはHELLO GARDENって場所を運営してる。その「いいよ!」に乗っかってくれる人が増えていってほしいな。

規模とかはどうでもよくて、みんなそれぞれが内に秘めてる「こんなの面白くない?」とか、「こんな遊びしようよ」とか「こういうのどう?」みたいなものがもっといっぱい出てきたら、毎日飽きずに過ごせそうだよね。

良き日の店頭にHELLO MARKETで出会った仲間「葉菜子」が一緒に立つ日の様子。

楽しみながら挑戦し続ける

西山:お店をオープンしてみて、これまでとは違うお客さんもくるようになった?

野村:ほとんどが初めましてというか、むしろ常連となってくれるような方々はこの店舗が良き日デビューですっていう人のほうが多い気がする、体感としてね。

それってやっぱり嬉しいよね。もちろんずっとついてきてくれてる人はすごくありがたいし、これからも大切にしたいと思う反面、その人たちにすがるのは一番残念なことだとも思ってる。だから新しい人たちが増えれば増えるほど嬉しいっていうのは素直な気持ちかな。そうしていかないとやっぱり緊張感がなくなると思う。知り合いにさ、たまにポツポツと名言を吐く人がいるのよ。そのうちの一つに「売上はお客さんからもらう通信簿だ」っていう名言があって。結局は売上っていうのは評価なんだよね。何か企画をやってぐんと上がる売上とは別に、日々の評価っていうのはやっぱり大事で、とくに新しい人たちのほうがこれまでの関係性や感情に左右されない評価をしてくれるわけじゃない?情が入ってない評価っていうのは、常にあったほうがいいと思ってる。一歩踏み込んだ何でもOKの関係性になるのもすごく嬉しいことなんだけど、結局それには一番最初の評価が必要だからね。

西山:常に両方必要なんだろうね。何があっても応援してくれて、味方でいてくれる人がいる心強さもあるだろうし。でもそれだけだと成長していけない部分だったり、気づけないものがあったりするから、素直に評価をしてくれる人の存在も大切。前に野村さんと話したけど、「美味しかった」じゃなくて、「楽しかったです」とか「いい時間だった」って出ていくお店ってやっぱり素敵だよね。

野村:もうそれが一番!また来たくなる要素だよね。でもオープンする段階でそこを目指そうと思えてるのは、この年齢だからっていうのも大きいと思う。40代半ばで開業するってなると、やっぱり若いうちに開業した場合とは担うものがちょっと違うと思うのね。たとえば今の俺なら、自分の料理の腕をみせるというよりか、良い場を提供する役目をもってるのかなと。大げさな言い方に聞こえるかも知れないけど。

西山:でもそれってつまり、何かを始めるのに遅いってことはないって話なんだと思う。たぶん人はみんな変わり続けるから、働き方も提供するものも完成するってことはないんだよね。そのステージ毎にやってみようと思うことや、自分が担うべきだって感じることがきっと変化するし。そしてそのチャレンジを何歳でするかってことよりも、ずっとチャレンジを続けられるか、そのときそのステージを楽しいって思って続けられるかどうかってところが大切なんだろうな。

野村:楽しみが年代によっても違うからね。今の自分でいうと、たとえば自然と趣味が合う人が周りに集まっちゃったっていう楽しさとか、料理とは直接関係ないところを楽しめるようになってきた気がするな。

インプットとアウトプットの大切さ

お店の屋号を決めるときも迷ったけど、自分がお店でやろうとしてることって、無国籍とか、多国籍とかそういう表現とはちょっと違ってるんだよね。何でもありなんだけど、取捨選択はされてていて、なんて言えば伝わるのか…説明が難しいんだけどさ。

西山:野村さんは自分がそのときそのときで感じる「これを体験してほしい」とか「これ面白い」、「これが今の個人的ブーム」みたいなものをメニューやお店の中に取り入れるのが上手いし面白いよね。私が思うに、いろんな国の料理や空間の使い方、音楽も含め、野村さんのアンテナに引っかかった諸々の要素を編集してるから、ジャンルは「野村さん」なの!

編集って、一見全然関係ないと思うものたちを繋ぎ合わせて新しい見せ方で世に出す、みたいな作業でもあると同時に、問いを投げるというか、何かを提案する行為でもあるなと私は思ってる。だから野村さんも、「こんな料理どう?」「こういう食べ合わせもあるよ」とか、「こんな時間の過ごし方って良くない?」っていう提案をしてるんだろうなって思う。そういう面では私たちと近いものを感じるんだよね。

野村:そうだね。葉菜子と一緒にこの店で朝食やろうよって話になったときに、自分がどうしてもやりたいって思ったのは、焼き菓子でもデザートでもなくラジオ体操だったのよ。大の大人が一生懸命ラジオ体操やって、疲れたあと朝食を食べて、でも時計を見たらまだ10時だとかそりゃ最高に楽しいだろうなっていう。だから正直料理なんかどうだっていいわけ(笑)むしろ葉菜子が美味しいものをつくれば成り立つと思ってたからさ。こういうのがめいさんの考える編集って行為だとしたら、きっと俺は編集が好きなんだね。トータルプロデュースともいえるかな。

西山:そうそう!私と野村さんが「いいね!」って意気投合するときって、たとえば昼間とか夕方から飲むアペロみたいなスタイルや朝食を外で食べるってスタイルがもっと普及したらいいのにとか、ピンポイントで料理の話をするわけじゃなく、ライフスタイルのイメージを含めた話をしてることが多いよね。そのライフスタイルの中で、飲食店がどうあるかとか、食がどうあるかとか、そういうテーマで盛り上がれるのってやっぱり私たちは仲間だなって思う。

野村:それこそイタリアなんか、タンクトップとかラフな格好でピザ食べてるわけよ。今じゃ海外旅行に行く人もたくさんいるし、行った先で実際その目でそういう光景を見てるはずなのに、ピザがまだおしゃれなものに見えてること自体が俺はおかしくてさ。やっぱり日常になって初めていい風景になるというかね。だから昼から飲むことも「海外から来た文化=おしゃれ」っていう紹介をしたいわけじゃなくて、ああいうのをとりあえず見よう見まねでいいからみんなで定着するまでやってみたいなって思ってるだけなんだよ。

西山:レストランってみんなにとって身近な存在であると同時に、暮らしの中でなくてはならない場所でもある。だから、そういう場所から社会を変化させていこうとする役割を現代の料理人は担っているみたいな話を聞いたとき、まさに私はさっきのラジオ体操と野村さんが頭に浮かんだんだよね。野村さんていつも、「こんなカルチャーつくっていきたいよね」っていう話をするなって思い出して。その視点をもってる野村さんってやっぱりすごく面白い存在だなって感じた。

野村:俺から見ためいさんも同じようなところがあるよ。たとえばめいさんは西千葉工作室で金継ぎを教えてるけど、どこかのすごい人に習った金継ぎ歴何十年のプロ!とかそういうわけではないじゃない。だけど、金継ぎの面白さを発信しようと思うからやるんだよね。俺も同じで全然ラジオ体操詳しくないし、体硬いし(笑)魯肉飯だって台湾に何十回も行ったわけじゃないけど、でもやりたいからやっちゃうの。

西山:たぶん私たちって、それ単体の価値を伝えたいというよりも、そういう選択肢もあるっていう暮らしの豊かさみたいなものを提案したいんだよね。全部のお皿を金継ぎする必要はないけど、割れたら新しいものを買うんじゃなくて、直すっていう選択肢もあるよってことを言いたいだけであって、その道のスペシャリストになりたいわけじゃないの。こういうことを一緒に面白がろうよって言ってるだけなんだけど、でもそれを発信する役目ってとても大事だと思っていて、私は意識的にそれをやろうとしてるかな。

野村:それを本当に突き詰めたいと思ったら、ほかにもっと適した場所はあるしね。たとえば魯肉飯を自分の店で出してたとしても、俺は普通にお客さんとほかの店の話をするわけ、「あそこの魯肉飯美味しいよね」とかさ。それも同じことで、別に自分の店の魯肉飯が最高だろって言いたいわけじゃないから、あそこのお店も美味しいからぜひ行ってみてくださいよで構わない。

西山:野村さんが魯肉飯って美味しいな、いい料理だなって思うからこそ、とりあえずみんなもまず魯肉飯に出会って!知って!って伝えたいってことだよね。まちとかカルチャーって、そうやっていろんなものを面白がりながらメッセージを発信する人たちを中心に変わっていくものなんだろうね。

野村:俺は良くも悪くも一つのモノ・コトにはまとまらないと思う。無理だよなあ、そんなことしたら飽きるもん(笑)

西山:きっと世の中でそういう役割なんだと思うよ(笑)野村さんの職業は、面白がる人。面白がり屋!面白がるものは変わっていくと思うけれど、常にいろんなものを面白がって「こういうのどう?」って言い続ける人であり続けてほしいな。

野村:そのためにはやっぱり、自分がどこかに行ったり楽しんだりってことが重要だよね。自分がどんどんインプットしていかなきゃアウトプットもできないから。だから、休みは不定期ですってね(笑)

昼間から栗粉のクレープとシードルを楽しむ。

まちに溶け込む

西山:HELLO MARKETももちろんだけど、何かしらのきっかけで、西千葉の外からここに来てくれた人たちが、継続的にこのまちと繋がってくれていたり、活動のフィールドの一つにしてくれていたりするのはすごく嬉しいことなんだよね。野村さんにいたってはお店を構えて、つまりは「このまちの人」になったってことでしょ?それって本当に感慨深いなあと。

まちづくりって、まちの中の輪をどれだけ強くするかってことにフォーカスする取り組みや外の人を外の人としてしか見ていないことが多い気がしてるんだけど、私たちはその輪が広がったり、外からきた人が中の人になったりして、まちの仲間が増えていくことのほうが面白いし楽しいと思ってるんだよね。

野村:確かにね。自分もHELLO MAEKETで3年の経験があるからこそ、「あえて西千葉で店を出しました」という納得できる理由のもとにお店をスタートできて良かったと思ってる。あとは、だれかが西千葉に来る理由になれたっていうのは嬉しい。これはちょっと主観が入るけど、だんだん年齢を重ねていくとさ、そのまちに行く理由が一つで構わなくなるというか。「ランチ食べるだけ」とか「好きな公園で座るだけ」とか、一つの理由だけで出かけるのって、ものすごく贅沢な時間の使い方だなって気づくんだよね。そのたった一つの目的になれるのは、嬉しいしありがたいことだって思う。

西山:HELLO GARDENがきっかけでできた関係性だけじゃなく、野村さんがまったく別の繋がりをつくっていく様子が見れるのもすごく楽しい。たとえばこの辺の飲食店の人が「良き日行ってきた!」ってSNSに投稿していたり、反対に野村さんが「今日のランチはここ」ってほかのお店について発信してたり、そうやって野村さんがまちに少しずつ馴染んでいく姿だけじゃなく、まちのみんなも野村さんを受け入れていく様子を見てると、いろんな関係性が広がっていってるなって実感できてすっごく面白い!

野村:この辺の人たちがお店に来てくれると本当に嬉しくなるよね。緊張もするけどさ。自分より前に同じ規模の飲食店が何件か西千葉にオープンしてたっていうのは、すごく心強いなとも感じた。昔ながらの商店街で今のスタイルをやってたら叩かれるかもしれないし、やっていけないかもしれないけど、もう既に「自分の店を遊ぶ人」がいるっていう西千葉の環境にも助けられた気がする。

まちに媚びず、周りと共存する

西山:HELLO MARKETに出てるときと、お店をもってからとで、「西千葉ってこういうまちかも」みたいな野村さんなりのまちの見え方って変わった?

野村:正直まだ分からないのが現実かな。ただ、西千葉って学生のまちとか、あとは小さなお子さんをもったファミリーが多いってイメージだと思うけど、うちのお店のお客さんの中ではその2つの層をあまり見かけないんだよね。意外と年齢層も広いし、中心は同世代なんだけど、年配の方も若い人もぼちぼちって感じ。だからいわゆるThe西千葉のような層となかなか出会わない。

西山:でもそれってつまり、ついつい西千葉に関して学生のまちとかファミリーが多いまちっていうざっくりした捉え方をしがちだけど、実は違う層もしっかりいるってことだよね。

野村:そうだね。そもそも開業するにあたって、まちの人口とか西千葉駅の乗降車数とかを調べて「このまちはこういうまちですよ」って定説みたいなものを出してはみたけどさ、それを知ったうえで、自分のやりたいことを変えるかっていったら変えないんだよ。自分がやりたいものはコレだって決まってるから、そのまちの客層とかは知ったこっちゃない。強がって言えばね。

西山:その姿勢を貫いてくれて良かったって思うよ。野村さんとお店をつくるときに、「このまちに媚びるんじゃなくて、万人受けしなくていいお店を目指そうよ」って話したよね。この地域の定説に合わせた供給はチェーン店とか、ほかのお店に任せておけばいいって。そもそもここに住んでる総人口だけに目を向けて話したら、面白くないじゃない?みんな同じところをターゲットにしたらお客さんを奪い合うしかないからさ。

野村:そう。自分にその意識があるし、ほかの個人店の人たちも似たようなことを思ってるからこそ、お互いを変にライバル視もせず、気持ちよくそれぞれの店に入れるような気がする。今日はここで明日はそっちの店、はしごしたってもちろんOKっていうスタンスをそれぞれがもってるから、俺も気兼ねなくほかの店舗にいけるし、ほかの店舗の人もうちに来てくれるんだと思うんだよね。それが自然とできるのが西千葉の魅力なんじゃない?

西山:確かにそうかも。西千葉で、とくに個人店を始めた人たちは、このまちの中でお客さんを取り合おうっていう意識をもった人が全然いないよね。今の西千葉はいい意味で西千葉だけを見てないお店が結構いて、このまちの外にいる人をも惹きつけて呼び寄せてくれる。だから風通しのいいまちなのかもしれないね。それが段々と西千葉のブランドというか価値になってきてると思う。

野村:目指すものとか、興味をもてるものが常に最先端を追ってるってわけじゃないけど、いろんな方面に敏感な人が多いよね。でもそういう人たちがまちの変化を引っ張っていってくれる気がする。

いいまちとは?そこを目指すために

西山:西千葉には年齢や性別問わず一人で料理やお酒を気兼ねなく楽しめる場所や外から遊びにきてくれた人とわざわざ行く場所って多くなかったから、良き日ができたことで、新しい時間の過ごし方とか、新しいサービスがまた一つこのまちに増えたっていうのはいい変化だと思ってる。

必ずしも店舗じゃなくていいんだけど、「こんな場所があったら毎日の満足度が上がるのに」っていう場所が増えていくといいなと思うし、そういう場所が増えていくことが、そのまちの価値というか、そこに住んでる人の幸福度にダイレクトに関わる気がする。

野村:「あのまちいいよね」とかってよく言うけど、実際そのまちについて知ってることって結局は好きな店とその周り、あとはメディアで取り上げられる一般的なイメージくらいなんだよね。そう思うと、まちのイメージに関して店舗が担ってるものって結構大きいのかもしれないな。

西山:うん、もちろんお店も重要なんだけど、いいなって思うポイントって本当に人それぞれで、たとえば緑がいっぱいあるってことが何より魅力的だと感じる人もいるかもしれない。たぶんみんな、「これがあったらより自分の暮らしが良くなる!」って思うものがありそうなまちに対して、いいまちだなって感じるんだと思う。いいまちって、そこに住んだときのことを想像できるというか、自分の日常にこんな豊かさが増えていくんだろうなって思える要素がどれだけあるかってことが大切なんじゃないかな。だから西千葉にももっといろんな要素が増えていって、西千葉っていいな、住んでみたいなって人がもっと増えてくれたら嬉しい。

野村:いろんな要素がないと、まちにはならないよね。

西山:kame booksさんが主催してる古本市っていう場所もそうだけど、それこそ短歌を学ぼうとか、本屋さんの話を聞こうとか、何か学んだりする時間も時にはすごく大事だよね。そういう場をつくってくれる仲間がまちに増えたっていうのはすごくプラスの変化だと思ってる。そういう意味では、ちょっと面白いまちにはなってきてるのかも?けどもうちょっと、もっと面白いまちにしていきたいな。

野村:すごい土地があるわけじゃないし、劇的に変わるってことは無理だもんね。

西山:うん。時間がかかることだなあとは思う。でもみんなが最終的に選んでくれるまち、つまり遊びに行きたいなとか、住みたいなとか、いいなっていうまちは、きっと今西千葉が向かっている形だと思う。だからこそ、面白がり屋の野村さんがこのまちにジョインしてくれたんだろうしね。
これからも一緒にこのまちでの日々を面白がっていきましょう!

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