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vol.3 『多肉植物』のある暮らし

イベントレポート

5月のケの日ラボでは、「気になっているけどなかなか手が出せない!」「簡単と言われて買ってみたのに失敗した!」というお声が多かった、“多肉植物の育てかた”をテーマに、TOKIIROの近藤義展先生に講義をしていただきました。

●アレンジをつくるということ●
“アレンジ”や“寄せ植え”というと組み合わせに悩むことが多いですよね。そんな時は、学校のグラウンドを想像してみて!色々な草が生えていて、それぞれが絡み合って、陣取りをして、頑張って生き抜いていますよね。
その景色を一つの鉢の中に表現しようとした時、“花だったら”“多肉だったら”どんな可愛い景色がつくれるかなと想像してみる。その景色を目指してアレンジをつくることで、その間にある何年もの時間を一つの器の中に表現することに繋がるのです。
それでは早速、自分だけの寄せ植えアレンジを作ってみましょう!

●多肉の寄せ植えPOINT●
①器選び
やりやすさ・管理の仕方さから、穴が空いている器を選ぶと良い。
今回使用した鉢植えは、直径7センチ高さ10センチの陶器のもの。

②多肉の組み合わせ選び
大きくて寄せ植えの顔になりそうなものをひとつ、それより少し小さいものを2つ選ぶ。さらに小さくて細いタイプのものを3種類ほど併せて、今回は6種類を入れた寄せ植えに。
苗を選ぶときは、同じ色同士まとめても良いし、違う色同士にしても良い!
多肉植物は、夏と冬で違う色に変化したりするので、鉢植えの中で景色の変化を楽しむことができる。
そこもなんとなくイメージしながら、選んでいくのも楽しんでみるといいかも◎
コツは目が合って可愛いと思った子を選ぶこと!

③植えるための下準備
穴が空いている器に網を敷く。これは網戸の網を使用。受け皿を避けた状態で、土を下から約2㎝、上から4.5㎝くらいの土を入れる。
苗がポットに入っている場合、土埃が立っている乾いた状態であることを確認しましょう。土が濡れていたら今やるべきことではないのでカラカラになった状態になるまで待つのがベストです。

土が乾いていたら、次のステップに進みます。まずポットの外から土をほぐすように揉み、全体を柔らかくする。土が柔らかくなって根元がグラグラしてきたら、ポットを外す。この方法ならいらない土も落とせるし、根も良い状態でいられます。

小さい方は網がついているので網だけ外す。花束を持つようなイメージで手の中で絡めてしまう。イメージが違った場合は持った順番に下ろせば植えていないから根に負担がかからずに何度もやり直せる。根の位置がバラバラだから、1番上に根が生えている子よりも土のラインが上になることを意識する。

④土を入れていく
置いただけではグラグラしているので隙間に向けて回りから全体にふんわり土を入れていく。この段階ならまだやり直しがきくので、納得のいく配置に持っていくようにする◎

ここから土をしっかり入れていきます。土が根をしっかり守ってくれるので、根はしっかりと土の中に入れ込む。一番小さい子は、土に埋もれてしまうかもしれないが、後からちゃんとでて来てくれるのでご安心を!
このタイミングで、レイアウトは最終調整へ。ピンセットなどを使用して、太陽に向かって上向きになるよう微調整。

出来るだけ多肉を引っ張らないようにしながら、土が鉢の下までしっかり入って行ったら、最終的に砂を使って上を化粧して完成!

今完成した状態は完全形ではなく、1.2年後に育ってアレンジの本当の完成となる。日々の変化を楽しみましょう!!

持っておくと便利!おすすめ道具
▷精密機器専用のピンセット
▷底に敷く網 頑丈な網戸

●合言葉は“多肉は外”●
多肉は、日当たりと風通しのよい外で管理しましょう。植物が健康に生きていくために大切なことは、光合成に尽きます。きちんと光合成が行えるよう、真夏の暑い日以外は、直射日光が当たる風通しのよい屋外に置くのがベスト。室内では人間が明るいと感じても植物にとっては光が足りていないということもありますよ!
生き物を生かすときには、それぞれその特性を見極めてバランスを取ってあげることが大事。是非多肉の声に耳を傾けながら、考えてみて下さいね。いろんな多肉があって、それぞれ性質が違うので、興味をもって調べることも大事ですよ!

●水やりの頻度●
光合成には、光と二酸化炭素と水が必要です。植物は光合成ののち、自身の成長に必要な糖を生成し、その糖はやがて様々な栄養素に変身していきます。その際にも、水は重要な役割を果たします。

では、どのタイミングでどのくらいの水をあげるのが良いのか!?お悩みの方も多いと思います。植え替え直後は一週間は水を与えず、根が落ち着いたら水をたっぷりと与えること。鉢底から流れ出すほどたっぷりとあげると良いです。下の根全体的に届くようにかけることと、バクテリアをたっぷりの水で流してあげことを意識して!
水をあげる時は、葉っぱにかかるようにあげて大丈夫。水やりから1週間〜10日後、木のマドラーなどで土を挿してみて、抜き出したマドラーが乾いていれば、
その場所が生育に適した場所と判断して良いでしょう。湿っていたら、置き場所を変え、2週間経過しなくても、葉に張りがなくなってきたら、水やりのサイン。
その後の水やりのタイミングとしては、メインのものより脇の小さいものを見た時にハリがなくしんなりしてきたら躊躇せずたっぷりと水をあげると良いでしょう。水をあげすぎて根腐れしてしまったとゆう話をよく聞くが、それはたっぷり水をあげていなかった証拠。中途半端にあげるから腐ってしまうのです。

何日に一回などと回数を決めるのではなく、昨日より元気がないなと思ったらあげればいい。これなら植物を育てるのが苦手な人でも安心。上記のように説明したけれど、植物は生き物なのでそうはいかない。みなさんの家ではどんなタイミングで“その時”来るかわからない。結局一番は、多肉の気持ちになって考えてあげること。「欲しそうだったらあげて下さい(笑)」

●最後に●
植物が光合成をし、酸素を地表に貯めてきた。人間は植物がないと生きていけない。その環境を受け入れて自分のものとして進化して、独特の形に変化を遂げたのが多肉植物だったのです。この先温暖化がどんなに進んでも、それをまた受け入れて進化にすごく適応している植物。人間がこの地球上で住めなくなっても、多肉を外にさえ置いておけば、人間が戻ってこれるような環境を作り出してくれると思う。

●TOKIIRO 近藤義展
2009年より浦安を拠点にグリーンデザイン、ガーデンデザイン、ワークショップ開催など多岐にわたる活動の中から、
空間(器)に生きるストーリー(アレンジ)を創作している。
【WEB】http://www.tokiiro.com/

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